学校・園・福祉・支援機関の皆様へ
プロフェッショナルとしての協働のお願い
現場で日々子どもたちと向き合い、汗を流してくださっている皆様に、当院から心よりお伝えしたいことがあります。
皆様は、医療からの指示を待つだけの存在ではありません。 また、医療の判断をそのまま実行するだけの立場でもありません。 子どもが生きる現実の社会(教室や集団)の中で、医療には決して見えない「リアルな姿」を見つめ、実践し、変化を捉える不可欠な専門職です。
■ 医療の「点」と、現場の「面」をつなぐ
当院は、「医療が正解を出すので、その通りに動いてください」というトップダウンの関係を強く拒絶します。 医師が診察室で子どもと接する時間は、人生のほんの一瞬(点)にすぎません。 教室での座りにくさ、声かけによる反応の違い、友人関係の影響、一見問題に見える行動の前に起きている小さなサイン。 あるいは、学校で必死に「いい子」を過剰に演じて限界を迎えている姿。 こうした現場からの泥臭い日々の連続した事実(面)がなければ、私たち医療の「分析」は決して機能しません。 医療の分析と、現場の観察・実践が結びついてこそ、本物の支援が生まれます。
■ 「子どもを直す」のではなく「環境と道具を整える」
当院が目指すのは、子どもに我慢や努力を強いて多数派の型にはめ込む(医学モデル)ことではありません。 どんな「環境」を整え、どんな「道具」や「工夫」を装備すれば、この子が本来の力を発揮できるのか(社会モデル)を一緒に探すことです。
それは、特別扱いをして甘やかすことではありません。 子どもがパニックを起こさず、自らの苦手をカバーする「賢い抜け道(迂回路)」を持つことは、結果としてクラス運営をスムーズにし、先生方の負担と不安を下げることにも直結すると考えています。
■ 診察室は「次の一手」を考える作戦会議の場です
ですから、「医療の指示がないと動けない」と遠慮しないでください。 現場で見えている事実、試してうまくいったこと・失敗したことを、堂々と医療にぶつけてください。 診察室は、皆様からいただいた情報をもとに「次の一手」を考える作戦会議の場です。
それぞれの役割と強みを持ち寄り、互いをリスペクトし合うこと。
「誰の意見が正しいか」を決めるのではなく、目の前の子どもの「生きやすさ」のために、同じ目線で手を取り合うこと。
「医療」という枠を超え、家庭・教育・福祉・医療のすべての大人が手を取り合うひとつの強力なチーム支援として、ともに子どもたちを支えていきましょう。
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